カカオの焙煎《製茶仕上げ火入れ機》

お茶とカカオの焙煎温度は一致する


カカオの焙煎温度は概ね「100〜150℃」

製茶の仕上げ火入れも概ね「100〜150℃」


焙煎技術について、作るものは違っているけれど、その目的や意義を学びたいと足を運んだ製茶工場で茶師に学んだことが気付きのきっかけでした。

焙煎対象物の状態や火入れ後の香味の狙いによって当然ながら温度や時間は異なりますが、カカオもお茶も同じ温度帯で火入れされているという事実に突き当たったのです。


それをきっかけにお茶の焙煎について更に突っ込んで調べてみることにしました。

お茶の呈味について、成分の変化について、それら茶の火入れに関する資料を読んだ結果、やはり焙煎の目的やその狙いはカカオの焙煎の目的と一致したのでした。


お茶の歴史=静岡の歴史

創業当時は小さな家庭用オーブンを使ってカカオの焙煎を行っていました。

焙煎について経験し学ぶとオーブンでは出来ないこと、工夫で対応できる領域を超えた能力の限界がはっきりと分かったのです。

焙煎の量も日々増えてきたこともあり専用焙煎機の導入を決意し、まずお茶の焙煎機について調査をしました。


当然お茶の焙煎機にも様々なメーカーや火入れの仕組み、大きさや形状などがあります。

店舗内工房に入る大きさであり、かつ適切な性能を持つもので探してみると多くない選択肢とはなりましたが、そのどれもが静岡にある機械メーカーのものでした。


いまある日本茶の基礎を作り上げてきたのは静岡の人々です。

製茶技術も当然の如く静岡に集約されていました。


お茶どころ静岡の技術が詰まった火入れ機を導入しよう

繊細な焙煎が求められる茶の火入れ機には、様々な工夫が施されています。

・茶葉一本一本が均一に火入れできること。

・緻密な焙煎温度調整が可能なこと。

・効率的かつ効果的な焙煎であること。

これらの技術がそのままカカオの焙煎に転用できたのです。


自動車が買える程の高価な機械だったため、当店では経産省のものづくり補助金を活用して導入しました。

問い合わせをした際にはメーカーの方からは「カカオの焙煎に????」という反応を受け、工場の機械でテスト焙煎をしたときも「どう、大丈夫?うまく出来てるかどうかわからないんだけど……。」と、とても心配されましたが不安は一切ありませんでした。

製茶技術をカカオの焙煎に活かす


オーブンでは実現不可能な緻密な温度調整と管理によって、以前の焙煎から大きく変化したことがあります。

・効果的な熱照射によって生じるカカオの軽い食感。

・均一な火入れによる雑味が少なくクリアな風味。

・焙煎量に左右されない作業の柔軟性。


カカオの風味の発現に関しては焙煎温度によって管理していましたので、オーブンで実施していたときと方向性は大きく変わっていません。

当店でつくるチョコレートの狙いである「どんな人が口にしてもチョコレートとして美味しいと感じてもらえること」にとってはより一歩前進できる結果となりました。


海外製や他の製品と比べて

この焙煎によって生まれたカカオの風味をダイレクトに味わっていただけるのが「カカオニブ」です。

チョコレートの製造にはカカオニブにお砂糖など他の原料が加わり、また微細化やコンチングの技術によってその特徴は大きな影響を受けます。

当店ではカカオニブ単体でも販売しております。

ぜひこの味を体感してもらえたらと思います。


焙煎の技術やコンセプトについてはまた別の機会に記載したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

店主

静岡の無添加チョコレート専門店 Conche

カカオ豆から作る身体に優しい無添加チョコレート。 静岡初の“Bean to Bar”専門店です。