チョコレート保存のススメ
NG
その① 高温
チョコレートが溶ける温度を超えないことが鉄則です。
一度溶けてしまったチョコレートは冷やして固めても元に戻りません。
その② 急激な温度変化
結露が付着して劣化の原因になります。
温度変化は緩やかに、可能ならば避けることが大切です。
その③ 高湿度・ニオイ
チョコレートに含まれる砂糖が湿度やニオイを吸着してしまう性質をもっています。
繊細な風味が損なわれる原因となってしまいます。
対策
保存温度は28℃以下【18℃前後が推奨】
密閉袋・容器に入れて保管
冷蔵庫で保管する場合は…
常温保管が理想ですが、夏場など保管温度が28℃を超えてしまう可能性がある場合は冷蔵庫を使用してください。
庫内温度が高めに設定されている野菜室やドアポケットがオススメです。
加えて必ず湿度&ニオイ対策として密閉袋を使うなど外気を遮断してください。
食べる前には冷たいままを避けて、20分くらい常温に戻してから食べると、口どけが保たれて香りも豊かに美味しく食べられます。
ただし、その時すぐに袋から取り出さないでください。
冷たいチョコレートに空気中の水分が付着してしまい、再度保存する残りのチョコレートが劣化する原因になってしまいます。
解説
一度溶けてしまったチョコレートは再度固まる際に、チョコレートの油脂が表面で再結晶することで白くなってしまうファットブルームという現象が起こります。
ファットブルームは見た目が悪くなるだけでなく、再結晶の際にチョコレートの溶ける温度が変わってしまうために、口どけが悪くなり風味を損ないます。
また、結露や高湿度によって劣化する理由はシュガーブルームが発生するためです。
チョコレートに含まれる砂糖が水分に反応して溶け出し、表面に砂糖として再結晶する現象を言います。
シュガーブルームは見た目上の変化が主な劣化で、チョコレートの光沢が失われたりザラザラとした表面になってしまいます。
もう一つ、水分が理由でニオイも吸着してしまう原因になります。
温度に関しては18℃が最も長期間の保存に適しています。
実はチョコレートは常温下においても徐々に油脂結晶の組成が変化しています。
油脂がより安定した溶けにくい結晶へ変化していくのですが、口どけが悪くなり見た目も光沢が失われていくことになります。
実際の変化には年単位で時間を要しますが、その保存温度が低いほどにより長期間を要することになります。
摂氏0℃以下となる冷凍庫での保管も可能ですが、食べる前に結露対策として徐々に常温へ戻す手間が増えるのと、保存期間の違いが例えると2年が4年になるなど実用性の上で不要な場合がほとんどなため18℃をオススメしています。
ブルームが発生したら…
そのままでは本来の美味しさが失われてしまっていますが、もう一度美味しく食べられる方法があります。
- ミルクに溶かしてホットチョコレートに
- お菓子作りの材料に
もう一度溶かしてしまえば、口どけは関係なくなりますね!
最後に
当店のチョコレートはアルミ蒸着袋で密閉しておりますので、保管の際には保存袋は必要ありません。
ただ、一度開封された後は袋ごと密閉容器へ移していただければ幸いです。
開封後は出来る限り早めの消費をオススメします。
チョコレートは多くの油脂を含みますが劣化しにくい成分の脂質が多くを占めています。
そしてカカオ自身が抗酸化作用を持つために酸化には強い食品です。
また、水分量が極端に少ない(約0.6%)ため雑菌が増殖できない長期保管に適した食品でもあります。
ただし、香りに関しては徐々に変化しており時間経過と共に減少していくことが想定されます。
それを熟成と表現する場合もありますが、製造から1~2ヶ月を指すことが多く、概ね年単位で必要なものではありません。
製造直後→1・2週間→1・2ヶ月→半年と風味の変化がありますのでそれを愉しむこともチョコレートの魅力の一つではありますが、正しく管理することが必要条件ですので、当店では出来る限り早めの消費をオススメしています。
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